退職を伝えたあとにパワハラ上司からくる嫌がらせの対処法
ブラック企業でパワハラを受けているなどの理由で退職する場合、一つの大きな試練があります。
まず1つ目は「辞めます」と言って上司を説得すること。
まずこれが難しいです。
これについては別の記事で解説してます。
そして次にくる試練はどうせ辞める人間だからということでパワハラ上司がやってくる嫌がらせに耐えることです。
パワハラ上司は辞める人間には非常に冷たいです。
最後まであなたをストレス発散の道具にしようとしてきます。
無視したり、一人じゃ絶対できないような大量の仕事を振ったり。
今回は、そんないじめとしか思えないパワハラ上司の嫌がらせに対する対処法を解説します。
パワハラ上司から嫌がらせを受けた時の対処法
1. 大量の仕事を振ってくる上司への対策
大量の仕事を振ってくる場合、指示された仕事を終えるまでに、上司として、どれくらいの業務時間を想定して、業務指示を出しているのかを尋ねて、業務指示書や業務日報に上司から指示された内容として記録しておくと効果的です。
少し難しい言葉ですが、このような労働時間の予測を『人時(または、人日)』と言います。
労働時間は作業を行う人間の力量と、従事する人間の数で決定されます。
そのため、上司として仕事を部下に割り与える際は、個人の力量を把握した上で、納期までに許されている時間を見比べて、受けられる仕事と受けきれない仕事とを上司として判断し、対応する責任が生じます。
明らかに異常と考えられる量の仕事をそれとは見合わないほど少ない時間で対応するように指示された事実を記録として残すことで、上司の横暴さを証明することができます。
2. 仕事上の無視をしてくる上司への対策
無視は上司に非があることは疑いようがありません。
しかしそれでも相手が無視を続けることで被害を被るのは、部下として働く側であることが多いと言えます。
そのため、仕事上の無視をしてくる上司への効果的な対策としては、それぞれの立場や業務内容によって異なります。
ケース1. 無視されても仕事ができる場合
この場合は特に無視してくる上司のことは気にせず、自分の仕事をすればいいです。
自分の仕事が亡くなった時は誰かの仕事を手伝いましょう。
自分ができる範囲の仕事を探せば上司に無視されても気になりません。
心の中から上司の存在を消し去り、自分がいま出来ることに集中する。
そうすることで、上司の存在が徐々に小さく思えてきて、無視をされたくらいじゃ凹まなくなります。
むしろ、パワハラで怒鳴られたりされるよりは無視をされた方が、自分に危害が加わらないだけ良いはず。
何事もプラスに考えましょう。
また、やむを得ず上司に声を掛けないといけない場合は、出来るだけ周りに人がいる時に行うといいです。
無視されることが予想される場合には、出来るだけ他の人間(他部署だと尚良い)が近くにいる時に上司に声を掛けるようにします。
周囲に人(特に他部署)がいる状況では、上司も無視や叱責は多少減ります。
ケース2. 無視されてるせいで仕事ができない状況にいる場合
本当に困るのはこちらのケースだと思います。
仕事を割り振る役割を担う上司に無視されると本当にやることが何もなく、何をしていいかわからない状態、会社にいるだけ状態になってしまうケースです。
この場合には何もしないわけにもいきません。
周りから「あの人なにもしてない」という視線が痛くてつらくなります。
このケースの対処法としては、1つは上司よりも上の立場の人に相談すること。
もう1つはメールや、グループウェア、業務連絡用紙、稟議書類、業務日誌等の社内記録として保管が義務付けられている文書類に、その上司に対して確認を求める内容を記載して回答期限を定めて提出することです。
社内記録文書に関わる書類への記載や記入は、本来の用法としては注意を受ける行動と言えますが、パワハラ上司が部下に対して無視を行なっている事実を公式の記録として残し、また、他の部署の組織(管理部、人事部、経理部)が把握できる状態で質問している内容を記録として残すことで、会社内での上司の対応に疑問がもたれる機会を作ることに繋がります。
3. 退職を理由に伝達される情報を制限された場合の対策
無視とは異なりますが、まるで仲間はずれのように扱われ、仕事に必要な情報を自分だけ知らされてない、ということが起きることがあります。
いわゆる、伝達情報の制限です。
これをされた際には、その理由を朝礼または会議の場で確認すると効果的です。
これはとても勇気が必要な行動ですが、伝達される情報が制限されていることは、パワハラ上司から直接、伝達を受けている場合と、他の仲介者がパワハラ上司の指示を受けて、情報を制限する過程に携わっている場合の二つが考えられます。
ただし、いずれの場合もその決定を行なったのが誰であるのかを尋ねることで、企業としての体制を知ることができます。
企業としての体制を知ることは、必ずしも、情報が制限された状況を改善することには繋がりません。
しかし、そのような企業であったのだと知ることは、その企業を去る上で、気持ちを整理する一助となります。
4. 謂れのない中傷を受けた場合の対策
身に覚えのない失敗や中傷をまるで見てきたかのように押し付けられた際には、心を強く持って、反論するよりも先に、相手の言い分を聴き漏らさぬように意識を集中させて、いつの時点で、どのようなことを言われたのかを記録することが効果的です。
元々が身に覚えのない事柄です。
その安い挑発に乗って怒りの言葉を口に出すよりも、相手の言い分を一つでも逃さずに、できるだけ言い分の通りに記録するように努めてください。
後日、その言い分について、誰かが何かをしようとしても、その根も葉もない言い分は、誰かが口に出す度にいくつかの言葉が抜け落ちたり、新しい言葉に置き換えられて、徐々にほころびを見せ始めることが往々にあります。
総じて言えることは、相手は悪意を持って嫌がらせをしているのですから、気持ちを抑えた対応が必要です。
その嫌がらせに対して、自らの感情を露わにして瞬間的に判断した言葉で答えるのではなく、嫌がらせがあった事実を淡々と受け止めた上で、嫌がらせがあったことを自分以外の誰かに伝えることができるように、事態を把握することに意識を向けてください。
あなたを窮地から助け出すためには、今のあなたの冷静さが必要です。
それこそが、パワハラ上司がもっとも恐れる結末を導くための記録をつなぐ言動力として働くことになります。
繰り返しになりますが、記録は自分の手帳に作成し、あまりに酷いと感じた場合には、社内保管文書に書き写すと、より効果的です。
私が知る人は、コピー機でノートを写し、わざと会社文書に紛れ込ませた方もいらっしゃいました。
ISO記録文書のように、特に記録番号が大きな意味を持つ文書の場合、業務中に作成された書類の後日の再作成は、改ざんに等しく、パワハラ上司を庇うかのような言動を行なった当人たちの責任を社外の審査官が問題視する機会を残すことにつながります。
蛇足ながら、企業の体質がブラックであるとしても、ブッラクであるが故に、社会に対する外面は綺麗に保ちたいと考える企業がとても多いように感じます。
そのような企業は、企業の体質を特定の従業員の責任として、処断しがちです。
つまり、そのような記録が明るみに出ることを恐れる企業は、ブラックであるが故に、今度はパワハラ上司に責任を求め、その詰腹を斬らせることで問題の収束を計らせようとしても、何の不思議もない話に思えるのです。
5. ボイスレコーダーに録音するなどして証拠を集めるのも効果的
最後に受けた嫌がらせはできるだけ全てボイスレコーダーに録音しましょう。
会社に着いた時点でスイッチを入れるなどして、ことの詳細がわかるようにしときましょう。
それが無理なら、紙に書いてメモを取りましょう。
それでも無理なら、信頼できる人に証拠写真を撮ってもらいましょう。
手に負えない仕事量がわかる写真や、無視された時のことをなんらかの形にして残しておきましょう。
そして、証拠と詳細がわかるものを持って、労務局に行きましょう。
労務局には無料で相談できる弁護士はじめ、あらゆる労務に関する事例やパワハラなどのことを相談できる窓口があります。
そこに行き相談しましょう。
場合によって公務執行妨害ともなるので、お金の請求もできます。
必ず労務局に行きましょう。
パワハラの定義はないので過去の事例によって判断されることが多いですけど、無視されたなど、退職届けを受理されないなどは明らかにパワハラになります。
こうした場合には、無理法律弁護士さんや労務局に相談しましょう。
場合によっては、逮捕される可能性もあるので、被害を明確にすることが大事です。
なので証拠や詳細がわかるメモなりボイスレコーダーが役に立ちます。
嫌がらせされている実態がわかるものならなんでもいいので、できる限り証拠となるものを持って相談しましょう。
労務局から指導が入ったり、場合によっては上司が逮捕されることもあるので諦めずに、嫌がらせされて実態を集めることをおすすめします。
そして、上司の嫌がらせに我慢しないで、声を上げて下さい。
労働者の権利ですので、あなたが悪いわけではないのですから、公的な機関にまずは、実態の報告と相談することをお勧めします。
そして一人で悩まず、相談する勇気を持って下さい。
あなたが悪いわけではない。パワハラ上司が悪いのですから、それにはエビデンスが必要なだけです。
最終手段.上司より上の立場の人に相談をする
最終手段としては、上司よりもさらに上の立場の人に相談することです。
上司といってもさらに上の役職に使われている身の人もいることでしょう。
例えば、社長や取締役といった役職に就いている人にまで話を持っていくことができれば、さすがに会社側としても知らんぷりをすることはできません。
ただし、大企業の場合には、役職に就いている人と対面するチャンスが訪れないこともあります。
ここは様々な人に協力してもらうしかありません。
嫌がらせを受けることはパワハラ上司の元でずっと働き続けるよりは全然マシ!
最後に心意気の面ですが、嫌がらせを受けることはあなたも事前に予想がついていたと思います。
自分より前に辞めて嫌がらせを受けてる社員を見ているとか。
そういう人を見ると辞めるのが怖くなりますよね。
でも比べてみてください。
1. 今後もパワハラ上司の元でずっと働き続けること
2. 辞めるまでの間1ヶ月だけいつもよりひどい嫌がらせを受けるけどそのあとは解放されること
どっちがいいですか?
どう考えても後者ですよね?
あなたはパワハラ上司がいる会社を辞めるという正しい選択をしました。
その選択に誇りを持ってください。
この気持ちがあれば少々パワハラされるくらい余裕で耐えられると思います。
まとめ
パワハラ上司は、嫌味を言ってきたり、無視をしたりと、残念ながらそのようなことをしてくる生き物です。
上記のように普段どおり、しっかりと仕事をし、心の中で「もう数日後には辞めるから大丈夫」と言い聞かせていれば乗り越えられると思います。
退職までに嫌な目に合わないためには、自分自身をしっかりと持ち続けることです。
あと少しの辛抱です。
頑張って耐えてください。
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