ブラック企業を辞める勇気・「ノー」と言う勇気を持とう
仕事をやめることを上司に伝えるのは、なかなか勇気が要りますよね。
特にブラック企業だと、その気持ちを無碍にされることも少なくありません。
だからといってブラック企業を辞めないと、その後大変なことになるかもしれませんよ。
仕事のできる兄がブラック企業に異動になった結果・・・。
これは私の兄の話です。
兄は誰にでも好かれる気さくな性格で、就職活動もなんなくこなしていました。
新卒でシステムエンジニアとしての就職が決まり、最初の5年間は一生懸命働いていました。
その環境でも、兄の性格が功を奏し、誰からでも好かれる、そして信頼の厚い社員として毎日仕事をしていました。
ですが、その後本社から支社へ異動が決まりました。
その支社がブラック企業だったのです。
兄の本社での働きぶりが支社にも知られており、さっそくたくさんの仕事を任されるほどでした。
完璧主義な性格もありますが、兄は任された仕事はなるべく迅速に、かつ丁寧に行うことをこころがけていました。
支社は自宅から約1時間ほどかかり、毎朝都内の満員電車に揺られて通勤する日々でした。
そこからパソコンと向き合う長時間の業務がはじまり、終電間際に帰る日々。
そして家に帰ってからも仕事の電話がかかってきます。
なにかプログラムに異変があると、必ず兄のところへ電話がかかってきます。
その電話は夜中にかかってくることもしばしばありました。
しかしそれは、相手もこんな時間に仕事をしていて、困ったから兄に電話をしてきたということ。
兄は時間関係なく作業をしました。
ただでさえ少ない睡眠時間を削り、作業を続けます。
そして満員電車に揺られ、通勤する毎日の繰り返しです。
本社に通勤していた頃には、趣味である楽器を後輩に教えるために、卒業した大学へも顔を出していました。
休みがあれば実家へ帰ることも頻繁にありましたが、支社に異動してからそんなことも減りました。
いつもは実家で家族と見ていた初日の出を、兄は1人、会社の窓から眺めたといいます。
その気持ちの辛さは、考えてみると胸が苦しくなりますね。
自殺を考え始めた兄
毎朝の通勤の電車は、都内ですから満員です。
皆眠そうな顔をしながら、自分とおなじようにスーツを着たサラリーマン達が電車を待っています。
電車を待つ時間に、兄はこう思ったそうです。
「あと一歩踏み出せば、こんな生活を終わらせることができる」と。
電車を待つホームで、線路を眺めながら兄はこう思いました。
そう思うと、満員の電車に乗ることができなくなります。
体調が悪くなり、電車に乗れても途中の駅で降りることもしばしば。
睡眠時間もろくにとれていない生活で、判断力も鈍っていたのだと思います。
兄の頭の中は、「自殺」という考えであふれていました。
仕事を辞めたがうつ病のが治らず廃人になってしまった兄
このままでは危ないと、仕事をやめる決意をしました。
上司にその旨を伝えるも何度も断られ、そのたびに兄は、自分が必要とされていることを感じて思いとどまったといいます。
ですが兄はその頃、心療内科でうつ病と診断されていました。
自分のことをしっかりと考え、退職を決めました。
兄はその後実家に戻り、転職もしましたが、それも長くは続きませんでした。
うつ病による気分の落ち込みや、体調不良のためです。
うつ病と診断されてから約5年が経ちましたが、今でも完治はしていません。
これは無理をして仕事を続けたためです。
勤務時間を無視した作業に追われ、気持ちも追い詰められてしまいました。
仕事をやめる、ブラック企業と決別することをしなければ、人によっては自ら死を選ぶこともあり得ることです。
「ノー」と言う勇気を持とう
あなたの仕事へのモチベーションはどのようなものですか?
人に求められる快感や、それで感じる自信はありますよね。
しかし、それが良い方向でなく、悪い方向へ向いてしまうこともあります。
この人は仕事を頼めばなんでもやってくれる、という頼む側の気持ち。
人に求められているのだから応えなければという、あなたの気持ち。
度が過ぎると、頼まれても断れない状況に陥ってしまいます。
断ると、信頼を損ねてしまうのではないかという不安や、自信をなくすこともあると思います。
ですが、自分が無理をしているのであれば、それはしっかりと断ること。
それはとても怖いことだと思いますが、断る勇気を持ちましょう。
日本人は同調されがちです、なかなかノーと言えないでしょう。
しかし、自分のために、勇気あるノーを言えるようにしましょう。
あなたは仕事に追われ、冷静な判断ができなくなってはいませんか?
このままの生活が続くのは嫌なのに、そこから抜け出す気力が無くなってはいませんか?
睡眠時間が減り、頭がぼーっとする生活では、冷静な判断ができなくなります。
そんな生活では、食事も不規則になり、体力も落ちてきます。
そのような状態では、自分のことを考える時間も、気分転換をする時間もなくなってしまいますよね。
また、考える時間があったとしても、マイナスの考えばかり浮かんできませんか?
このままの生活が続いていく不安、仕事を辞めたとして生活がどうなるのかという不安。
たくさんの不安が思い浮かび、自ら死を選ぶことを考えてはいませんか?
そんな考えが思い浮かぶ人は、まず病院で診察をしてもらいましょう。
プロの方に悩みを聞いてもらい、気分を落ち着かせることも大切です。
プロでなくても、信頼できる友人など、助けを求めてみましょう。
しかし、薬を処方されたり、話を聞いてもらうことは、一時的なものであって、根本的な解決にはなりません。
気持ちがこれまでより少し楽になり、気分も体力も少しあがってきたら、勇気を出して仕事をやめる決意をしましょう。
まずは自分の状態を整えてから、環境も整えていきましょうね。
ブラック企業でも仕事をやめる決意ができないあなたは、きっと責任感の強い、まじめな方なのだと思います。
だからこそ仕事を任されたり、やめることを引き止められたりすることもあります。
その性格のせいで、仕事に縛られている可能性もあります。
ですが、だからといって、あなたのその性格が悪いことなんてありません。
それを悪い方向へ利用している企業がいけないのです。
どうかあなたの自信をなくさないでください、その性格はあなたの強みです。
まとめ
ブラック企業が増え、自殺や過労死の問題が取り沙汰されています。
あなたと同じく、やめたくてもやめられない人が居るからこそ、この実態はなくなりません。
そんな仕事をやめることは、あなた自身のため。
しかしそれだけでなくて、あなた以外の困っている人のためにもなるかもしれません。
だからどうか、勇気ある一歩を、辞める決断という一歩を、踏み出してください。
支えになってくれる人が、必ず居ますから。